今年も残すところわずかになってきました。
毎年、この時期になると時間の大切さを実感します。
総院長の樋上です。
前回につづきまして東洋医学のお話をしたいと思います。軽い感じでお付き合いくださいませ。
日本に、東洋医学が伝来したのは5世紀半ばころ。
朝鮮半島を経由して、社会の歴史で習った遣唐使や遣隋使により中国からもたらされたと言われています。
飛鳥時代の701年に制定された「大宝律令」で、医官制度を定めた「医疾令」というものを発布したとされています。
ひのうえグループでの治療法はそんな昔からの伝統医療なんです。
医師のほかに、鍼灸師、あん摩師も医官職として記されており
その時点ですでに中国伝統医療が日本に定着していることをうかがわせるのです。平安時代には、日本最古の医学書「医心法」も完成しています。
もっとも発達を遂げたのは江戸時代。
さまざまな解釈が生まれ加速度的に発展し、全盛期を迎えます。しかし、明治時代以降は西洋医学が正式医学として採用され、東洋医学はおいていかれてしまいました。
昭和以降は、手軽に服用できる漢方薬が開発され、再び東洋医学が脚光を浴びるようになります。副作用が無く、原因の分かりにくい症状にも対応できることが知られ、2001年に医学教育のコアカリキュラムにも導入され、今は本当に東洋医学が見直されています。
2つの医学は根本的な違いは身体を診る視点の違いにあると言われています。
東洋医学と現代医学は、独自の診断法と治療法を持つがそれは身体を診る視点の違いから生まれるのです。
現代医学は解剖学や生理学などの科学的な見方で人体をとらえます。人体を器官や組織、血管やリンパ液などに細分化して局所的に分析します。
体内に侵入した細菌やウィルス、病理部位を排除することにおもきを置き治療していきます。
検査にあらわれない異常は病気とはみなされず、不調を訴えても治療が分からないこともおこりえます。
一方、東洋医学は人体を全身が関連するひとつの有機体としてとらえます。
身体の問題があれば、局所的な問題か、全体のバランスの乱れが原因かという複眼的な視点により、病因を追及するのです。検査では分からない原因が特定できない病状でも自己治癒力を高めることで改善させることが可能になっています。
東洋医学では人体を最小単位である気、血、津液、精、五臓六腑という器官などが関連しあい、生命をなす有機体として考えるのです。
そのために、病状の直接的な治療だけでなく、関連した他の部位の治療や全身のバランスの調節など、複合的な治療を可能としている。
たとえば、目の疲労という症状に対して、鍼灸治療では眼精疲労に効くツボに鍼をうつという直接的な治療のほかに、目に関連している肝のツボに刺激を与えます。
また、血と気のバランスを整え全身の調整も行っていくのです。
この考え方は漢方薬や鍼灸などで全ての治療法で活用されています。
本当に東洋医学ってスゴイ
そして、東洋医学のプロが集まっている「ひのうえグループ」は皆さんの悩みの相談室なんですね。