こんにちは!本院の杉本です。
夏も終わりに近づいてきました。夏に部活動などでがんばった人もたくさんいると思います。そんな中足まわりに痛みが出た人がきっといるでしょう!
ただの使いすぎではなく、成長痛の可能性もあります。そこで今回は成長痛について少しお話ししようと思います。
成長痛とは?
大雑把にいうと、3歳〜12歳ぐらいの子供に起こる足などの痛みです。 成長痛が起こりやすい場所は、膝から足に掛けて多いですが、股関節・かかと・ふくらはぎ・太ももなどでも起こります。 成長痛で感じる痛みには個人差があり、泣いてしまうほど痛がる子供もいます。
まず、膝の成長痛についてお話しします。
「オスグッド・シュラッター病」
原因:脛骨(足の骨)粗面部の骨端核(成長軟骨)は、8〜10歳頃に出現して、骨端線(軟骨層の細い隙間のこと)は16〜18歳頃に閉鎖します。
この骨端核が出現してから、閉鎖するまでの小児期に膝を伸ばすことに対する過度の牽引ストレスが生じる結果、膝蓋靭帯(膝の皿の下にある靭帯)が付着する脛骨粗面部の骨端核に炎症などを生じる状態。
スポーツ活動におけるオーバーユースにより発症することが多く、成長期の急激な成長による大腿四頭筋の過緊張、下肢のアライメント(骨・関節の配列 のことで、骨の並び、骨の形のこと、 身近 な例で言えば、O脚、X脚、扁平足などの形態上 の特徴を表すものです。)の異常が大きな要因です。
10〜14歳の男子に多く発症します。
症状:脛骨粗面部の膨隆,痛み、運動時痛が主な痛みです。特に正座やスポーツ活動などで床に膝を接した時に痛みが強いです。痛みは18歳頃には無くなりますが、膨隆したまま治癒することも少なくないです。
「踵骨骨端症(セーバー病)」についてお話しします。
原因:踵骨(かかと)後部の骨端核が4〜9歳前後に出現し、16〜20歳で閉鎖します。その閉鎖するまでの期間にアキレス腱に過度な牽引ストレスが生じる結果、アキレス腱の付着部の踵骨後部骨端核に炎症などを生じます。
10歳前後でスポーツを頻繁に行う男子によく発症します。
症状:踵骨骨端部の痛み、運動時痛
痛みの緩和には数ヶ月から1年間を必要とすることもあります。
治療
「オスグッド・シュラッター病」
仰向けになり、膝裏に枕を入れて施術を行います。
大腿前面の筋緊張が内側にある時は「髀関−血海」、外側の時は「髀関–梁丘」に鍼治療を行います
患部には「内・外膝眼」に刺入する場合もある。
「踵骨骨端症(セーバー病)」
仰向けになり、「左右条口もしくは陽陵泉−築賓」に鍼治療
術後の拘縮に対して、うつ伏せになり、「環中−承山」、「飛揚−築賓」もしくは「地機」などに刺入し、下腿三頭筋の柔軟性を高める。
障害部に合わせて、「太渓−崑崙」、「承命−跗陽」に鍼治療を行います。
ストレッチ
膝関節前面の疾患に対するストレッチ
・大腿四頭筋ストレッチI:横向きで上側の足の大腿四頭筋を伸ばす方法。
下側に位置した足を曲げて、身体を丸めることで骨盤を後傾させた姿勢をつくります。そこから上側の足関節を持ち、股関節を伸ばしながら、膝関節を曲げる。
・大腿四頭筋ストレッチII:横向きで下側の足の大腿四頭筋を伸ばす方法。
上側に位置した足を曲げ、下側の腕を膝窩部(膝の裏)にひっかけることで骨盤を後傾させた姿勢をつくる。そこから、上側の手で下側の足関節を持ち、股関節を伸ばしながら、股関節を曲げる。(大腿四頭筋が硬くてストレッチができない場合はストレッチIを用いる。)
踵・アキレス腱障害に対するエクササイズストレッチ
・足関節底屈チューブトレーニング:チューブを用いて行う。
踵や下腿部の痛みが治まってきた段階では、チューブを用いて足関節底屈筋の強化が必要になります。主導となる底屈運動と踵をくるむようにチューブをかけて踵を引き上げるような後足部主導の底屈運動の2パターンを行うと良いです。
・タオルギャザー:床に敷いたタオルを足指でたぐり寄せる方法。