治療日誌

実は秋に多い食中毒!?

2021.09.14

皆さんこんにちは。池田です。9月に入って早々に雨が降り、秋らしい気候になってきましたね。月末には夏の暑さが戻ってくるみたいですが・・・。それは置いておいて。秋といえば、読書の秋、スポーツの秋、睡眠の秋、芸術の秋、いろいろありますがなんといっても食慾の秋!!!果物も美味しいし秋刀魚なんかもいいですね~。今はコロナもありますので以前に比べハイキングや山登りなど外でお弁当を食べたりという機会は減っておりますが、実はそういうところに食中毒の原因が潜んでいるかもしれません。

 

食中毒の発生は夏だけとは限らない

厚生労働省の『平成29年 病因物質別月別食中毒発生状況』によると、食中毒は夏以外の季節にも発生していることが分かります。
例えば、春や秋はキノコやフグなど自然毒による食中毒、夏は細菌性の食中毒、冬はノロウイルスを原因とする食中毒が多い傾向にあります。

 

 

秋に気を付けたい食中毒の原因菌

真夏と比べると暑さが和らぐものの、9~10月も細菌を原因とする食中毒発生件数が高い季節といえます。比較的名前が知られている“サルモネラ菌”のほか、“ウェルシュ菌”と“カンピロバクター”を原因とする食中毒の発生件数は多い傾向にあるため、調理の際は注意が必要です。

 

ウェルシュ菌とは?

健康なヒトの腸管や土壌、下水等の自然界に広く生息する細菌です。酸素のないところで増殖し、芽胞を作ります。※芽胞は非常に熱に強い性質をもち加熱に耐えます。このため、加熱後に、室温に長時間保温された食品が原因となりやすい食中毒です。増殖する際に毒素(ウエルシュ菌エンテロトキシン)を産生します。ウエルシュ菌の産生するエンテロトキシンは易熱性のタンパク質で、熱(60℃10分)や酸(pH4以下)で容易に不活化されます。

※芽胞とは、増殖に適さない環境で生き残るための殻のようなもの。ウェルシュ菌は芽胞の状態で生き残り、食品の温度が下がると急速に増殖するという特徴があります。

 

カンピロバクターとは?

カンピロバクターは家畜や家禽、野生動物の腸内に生息しており、主に鶏肉に多いといわれています。
カンピロバクターは好気性でも嫌気性でもなく、酸素が5~15%ほど含まれる微好気的な条件で発育します。100個前後の少量の菌で感染し、潜伏期間が1~7日と長いのも特徴です。食肉から調理器具やサラダなどへの二次感染によって食中毒を引き起こすことが多く、感染すると腹痛、下痢、発熱などの症状を引き起こします。

 

食中毒を防ぐ3つのポイント

菌をつけない:調理器具や手をしっかりと洗う

菌を増やさない:冷蔵庫で保存

菌を撃退:しっかり加熱する

 

 

冒頭でも言いましたがコロナがありますのでなかなか外で食事とはいきませんが、自宅の庭などで食事するということもあるかもしれません。食中毒を防ぐ3つのポイントを守り、食中毒対策を怠らないようにしましょう。安全な調理法で食欲の秋を楽しんでいただければと思います。

 

 


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