治療日誌

睡眠の考察②東洋医学より

2021.12.07

ひのうえ鍼灸整骨院、竹村です。

12月に入って一層冬らしく冷え込んできましたね。

最近「陰気」の不足してる方が多いように感じたので少し「陰陽の気」についてふれてみます。

 

この夏にコロナ禍でリモートワークだったり外遊びなどの運動がしっかりできていない方は、この冬は頭痛や高血圧などののぼせる症状が出やすいかもしれません。

陰陽のバランスとして、夏にしっかり汗をかいて体を動かして「陽気」を使っていないと、次に冬になったときに陰陽の振り幅が小さくなり、「陰気」が小さくなります。

「陰気」は体を冷やしたりうるおしたり、陽気が外に出ていくのを引き締めて固めるはたらきがありますので、陽気の力を体の中にとどめておくことで、しっかり身体の中を循環させることができます。

「陰気」が不足すると「陽気」のダダ漏れ状態になり、疲れやすいしカゼもひきやすくなります。

適度に汗をかく運動は必要ですが、激しい運動や汗をかきすぎることはなるべく避けて、「陰気」を養うようにゆったりすごしてくださいね。

さて前回の続きの「睡眠」について東洋医学的にタイプ別に考えてみましょう。

★肝タイプ

ざっくり分けて、イライラしやすく物事をテキパキ片付けたいタイプです。

「肝」は「血」を蔵する。

東洋医学では 肝=血 ぐらいに関係が深いので、

「人、臥すれば血、肝に帰る」『素問』とあるように、夜になって肝に血が帰れなければ不眠になるということです。

肝に血が帰れない理由は2つあります。

①使いすぎたために血が不足して帰るだけない。

これは、激しい運動をしすぎて血を消耗しすぎた時や、常に仕事が忙しい、パソコンなどで目を酷使しすぎている、常に疲労がたまっている方などに多いです。

産後や手術後で血が不足しているときも同じです。

血は体を動かすガソリンのような働きをしますので、どんどん消耗させていくわけです。

血が不足した不眠の症状としては、

・眠ったような気がしない

・夢をみるのが多くなる

・夜中に目が覚める

などの特徴があります。

常に頭を使いすぎて血を消耗しているので、寝ていても頭を使っているような状態になってます。だから夢も多くなります。

考えながら眠り、考えていたことを夢に見ることもあります。

 

また、夜中に目が覚めるのは、血の中の陰気(津液)、つまり冷やす作用が不足して、胸から上、頭(上焦)に熱が多くなった時におこります。

本来、夜になると陽気が体の内に入って眠くなるのですが、上焦に熱が多いと、夜になって入ってきた陽気と上焦の熱とが合わさってしまい、有り余って眼にでてきます。そのために夜中に目が覚めるようになります。

 

②血が停滞しているため、あるいは流れが悪いために肝に帰れない。

これは、思ったことを言わずにのみこむ、ストレスを溜めやすい方に多く見られます。

身体の「気」のめぐりが悪くなって、血を動かすことが鈍くなり、夜になっても血が肝に帰ってこれない状態です。

身体の奥まったところに熱が停滞してしまうので、外側に陽気が少なくなってしまいます。

そのために気鬱的な症状や、肩こり、頭痛、冷え性なども出やすくなります。

この場合は、まったく眠れなかったり、眠れないことを非常に気にしたりする特徴があります。

この症状の方は、気を巡らせるために軽い運動で適度な汗をかくことも必要ですね。

 

今回は「肝」のタイプの不眠について書いてきました。

つらい不眠も鍼灸治療で少しずつ快方に向かうことが多いので、ぜひご相談くださいね!

 

 

 

 

 


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